信頼できる塩分濃度計はどれか: 屈折計、比重計、デジタル計
スイングアーム式比重計は1.023を示しています。それを確かめるために買った屈折計は1.026です。ショップのデジタル計であなたのサンプルを測ってもらったら1.028でした。3つの器具に3つの答え。その開きは0.005 SG、6 ppt以上で、リーフ水槽が収まるべき範囲そのものより広い幅です。
先に結論を書きます。この3つのどれも塩分濃度を直接測ってはいませんし、35 pptの標準液で確認するまでは、どれも信用できません。 校正した屈折計か導電率計なら、0.001 SG以内に収まります。スイングアーム式比重計では無理です。そして、もっとも最近校正した人の数字が正しい、ということになります。
それぞれの塩分濃度計が実際に測っているもの
手元のどの器具も、溶けている塩を量ってはいません。比重計が測るのは密度です。屈折計が測るのは屈折率、つまり光がサンプルを通るときにどれだけ曲がるかです。デジタル塩分濃度計は、目の代わりにセンサーを載せた屈折計か、水中を電流がどれだけ流れやすいかを測る導電率計のどちらかです。35 pptの天然海水は、25°C (77°F) でおよそ53 mS/cmの導電率を示します。
どの換算も温度に依存し、特定の塩の組成を前提にしています。35 pptの天然海水は25°C (77°F) でおよそ1.026 SG、0.001 SGは1 pptより少し大きいので、2台の器具の間に0.002の差があれば3 ppt近い開きです。どの数字を目指せばいいのか迷っているなら、リーフタンクの理想的な塩分濃度で1.025か1.026かの問題に決着をつけています。
| 測定器 | 測っているもの | 現実的な精度 | 校正に使うもの |
|---|---|---|---|
| スイングアーム式比重計 | 密度 | 0.002 SG以上ずれていることが多い | 調整はできず、確認のみ |
| 光学式屈折計 | 屈折率 | 校正すれば0.001 SG以内 | 35 pptの標準液 |
| デジタル屈折計 | 屈折率 | 仕様上およそ0.002 SG (2 ppt) | RO/DI水でゼロ合わせ、海水スケール内蔵 |
| 導電率計 | 導電率 | 校正すれば0.001 SG (1 ppt) 以内 | 35 pptの導電率標準液 |
屈折計と比重計: 安いほうが負ける理由
スイングアーム式比重計は、針が軸で回るプラスチックの箱です。水を入れ、針が浮き、止まった位置を読む。安価で、たいていの水槽はここから始まります。ただし問題が3つあり、それが積み重なります。
気泡。 針に空気が付いて持ち上げるので、読みが高く出ます。叩いても、傾けても、横から注いでも、3回に1回は気泡が付きます。
温度。 水は温まるほど密度が下がり、どの比重計も特定の温度で正しく読めるように作られています。最近のものは25°C (77°F)、古い設計では16°C (60°F) です。16°C用のモデルを26°C (78°F) の飼育水に使うと、おおよそ0.002から0.003低く出ます。
塩の付着。 軸に乾いた塩が付くと針が引っかかり、針に付いた塩は針の重さを変えます。毎回すすぎ、月に一度は酢に浸けても、それでもずれていきます。
したがって、スイングアーム式比重計が0.002ずれているのは不良ではなく普通のことで、それは多くのリーフ飼育者が目指す1.024から1.026という帯域の幅そのものです。屈折計か比重計かという議論は、何年も前に決着しています。校正済みの屈折計と突き合わせてずれを把握しておけば、足し水によるずれを毎日手早く確認する用途には使えますが、塩分濃度を合わせる基準にするものではありません。
光学式屈折計: 正しく校正すれば良い器具
光学式屈折計は、片端にプリズム、もう片端に接眼レンズが付いた金属の筒です。プリズムに2、3滴落とし、カバーを閉じ、窓に向けて、青から白に変わる境界線をpptと比重の目盛りで読みます。
ホビー用の屈折計の多くは、海水ではなく食塩水向けに作られています。 箱にリーフと書いてあるものでも、たいていは単純な塩化ナトリウム水溶液用の目盛りです。海水は1グラムあたりの光の曲がり方がわずかに小さい。35 pptの天然海水は36.5 pptの塩化ナトリウム水溶液と同じ屈折率を持つので、蒸留水でゼロ合わせした食塩水用の屈折計は、海水をおよそ1.5 ppt、比重にしておよそ0.001高く読みます。接眼レンズで35 pptに合わせたつもりの水槽が、実際には33.5 pptということです。
蒸留水やRO水が合わせるのはゼロ点だけで、ゼロ点は実際に読む位置から35 pptも離れています。代わりに35 pptの標準液で校正すれば、目盛りの中で本当に重要なその一点でずれが消えます。標準液が付属していなかったなら、買ってください。
ATCは自動温度補正の略で、補正するのは器具の温度であって、サンプルの温度ではありません。 ATC付きの屈折計の内部では、金属の本体が温まったり冷えたりするのに合わせてバイメタルが目盛りをわずかに動かします。対応範囲はふつう10から30°C (50から86°F) です。これが機能するのは、2滴の水がおよそ30秒でプリズムの温度になじむからで、落としてすぐ読んだり、本体が寒いガレージから出てきたばかりだったりすると機能しません。屈折計、標準液、サンプルを同じ部屋に20分置き、滴下して30秒待ってから読んでください。
デジタル塩分濃度計: 正確だが、プローブの手入れが要る
デジタル屈折計は同じプリズムを使い、目の代わりに光センサーが付いています。海水用のスケールと温度センサーが内蔵されているので、食塩水と温度の問題は消えます。落とし穴は公称精度です。Milwaukee MA887の仕様は±2 ppt、つまり0.002 SGです。標準液付きの安価な光学式屈折計と、精度は変わりません。
導電率計が、一般に「デジタル塩分濃度計」と呼ばれているものです。Hanna HI98319のようなペン型と、水槽用コントローラーの塩分プローブがこれに当たります。Hannaの仕様は±1 ppt、つまり0.001 SGです。導電率は1°Cあたりおよそ2パーセント動くので、どの機種にも温度センサーが内蔵されています。プローブをサンプルに30秒から60秒浸け、数字が止まるまで待ってください。
信頼できる状態を保つルールは3つです。
- 正しい液で校正する。 導電率のプローブはゼロではなく、35 ppt、つまり53 mS/cmで校正します。塩化ナトリウム水溶液は密度、屈折率、導電率のすべてで同時に海水と一致することはできないので、屈折計用の標準液と導電率の標準液は、どちらも35 pptと書いてあっても別の液です。器具に合わせて作られたものを、開封済みのボトルではなく新しい小袋から使ってください。
- 使用後は毎回RO水でプローブをすすぎ、飼育水を電極の上で乾かさないこと。塩の堆積はセルの形状を変え、読みは何の前触れもなくずれます。
- 決まった周期で再校正する。 ペン型は2週間から4週間ごと、コントローラーのプローブは月1回、そして驚くような値が出たときは必ず。コントローラーのプローブには気泡やバイオフィルムも付くので、水流のある場所に取り付け、校正のたびに拭いてください。
毎月校正していれば、ホビイストが買えるどの塩分濃度計にも劣らない信頼性があります。一度も校正していなければ、電池入りの乱数発生器です。
リーフタンクに最適な塩分濃度計
ほとんどの水槽には、光学式屈折計と35 pptの標準液の組み合わせです。安価で、壊れる電池もプローブもなく、正しく校正すれば0.001 SG以内で読めます。境界線に目を凝らすのが嫌なら、導電率計がアップグレード先です。速く、0.1 ppt単位で読め、すでにコントローラーを使っているなら自然な選択です。校正液の予算も見ておいてください。それなしでは、箱に書かれた精度に何の意味もありません。
スイングアーム式比重計の居場所は戸棚の中です。側面にずれの量をマーカーで書いて、予備として置いておきます。どれを買うにせよ、本当の測定器は標準液のほうです。測定器はただ、飼育水をそれと比べるための道具にすぎません。
屈折計の校正のやり方
新しい人工海水を作るたびに、5分で済む作業です。
- 35 pptの標準液を用意する。 屈折計用と表示されたボトルを買うか、自作します。純粋な塩化ナトリウム (ヨウ素も固結防止剤も入っていないもの) 3.65 gを、RO水96.35 gに溶かします。0.01 g単位で読めるはかりで量ってください。この溶液は、光学的に35 pptの海水と一致します。蒸発して濃くなっていかないよう、密閉して保管します。
- 温度をそろえる。 屈折計、標準液、飼育水のサンプルを一緒に、室温、おおよそ20から25°C (68から77°F) で20分置きます。
- 滴下して待つ。 プリズムに標準液を2、3滴、下に気泡が入らないようにカバーを閉じ、30秒待ちます。
- 調整する。 境界線が35 ppt (1.026 SG) に来ていなければ、校正ネジを回して合わせます。すすいで乾かし、もう一度滴下して確認します。
- 飼育水を測る。 すすいで乾かし、飼育水を滴下、30秒待って読みます。箱に戻す前にもう一度すすいで乾かしてください。乾いた塩はプリズムに傷をつけ、傷ついたプリズムは境界線をぼやけさせます。
この確認は月1回、ぶつけたあと、そして何かを変えたくなるような値が出たときに繰り返してください。その日のうちに標準液で確認していない値で、塩分濃度を動かしてはいけません。同じことは人工海水を作る容器にも当てはまります。人工海水はメーカーごとに差があるので、新しいバケツを開けるたびに測る価値があります。
自分の値とショップの値が食い違う: どちらが正しいのか
家では1.024と読めました。ショップであなたのサンプルを測ると1.027です。4 pptの差で、魚にとっては、誰のせいかはどうでもいいことです。
どちらも、初めから正しいと決まっているわけではありません。ショップの器具は1日に40回使われ、校正はそれよりずっと少なく、食塩水スケールをRO水でゼロ合わせしていることも珍しくありません。そうなると高く出ます。質問は2つです。何で測ったのか、最後に校正したのはいつか。「今朝、35 pptの液で」が勝ちます。「デジタルだから校正は要らない」は負けます。
そのうえで、決着をつける方法があります。自分の標準液を自分の屈折計に落とす。 35 pptと読めるなら、家の測定値はそのまま有効です。そのボトルをショップに持って行き、向こうの器具で読んでもらってください。標準液を35と読めないほうが、間違っています。
サンプルそのものも疑ってください。10°C (50°F) の車内に置かれていたサンプルをそのままプリズムに載せれば高く出るので、温まるのを待ちます。蓋のないカップからは真水が空気中に逃げ、じわじわ濃くなるので、密閉ボトルに口まで満たして持ち運びます。
間違っていたのが自分だったとしても、午後のうちに直そうとしないでください。塩分濃度を動かすのは1日あたり0.001 SG (およそ1 ppt) まで。魚もサンゴもゆっくりしたずれには耐えますが、段差のような変化には手痛い反応を返します。0.003の補正は3日がかりの仕事です。上げるには、次の水換えの水か足し水を目標よりわずかに濃く作ります。下げるには、RO水を少量ずつ1日かけて足します。200リットル (50ガロン) の水槽なら、1 pptは通常の足し水に加えておよそ6リットル (1.5ガロン) のRO水に相当するので、1回500 mLずつがちょうどいいペースです。乾いた塩を本水槽に直接入れてはいけませんし、補正用の水を水流のない場所に注いではいけません。その後サンゴがすねるようなら、水換え後にサンゴが開かないで塩分濃度の不一致のケースを扱っています。
数字だけでなく、測定器も記録する
塩分濃度は週1回の測定に加え、新しい人工海水を作るたびに測ります。比重計から屈折計に切り替えた日に0.002の段差ができるのは、校正のイベントであって水槽のイベントではありません。
測定値はひとつの単位で記録し、どの器具で測ったか、最後に校正したのはいつかを、測定値の横のメモ欄に書いてください。グラフの塩分濃度が動いたとき、変わったのが水なのか器具なのかがそれで判別できます。リーフタンクの測定スケジュールでは他の項目の中での塩分濃度の位置づけを、リーフタンクの水質パラメータ一覧では複数の項目が外れているときにどの数字から直すかを扱っています。
スプレッドシートを入手
Google Sheets でコピーを作成(Google アカウントが必要です・英語のみ)
Excel 版をダウンロード(アカウント不要)無料、メールアドレスの登録なし、クレジット表記も不要です。測定値は目標範囲の内側なら緑、外側なら赤になり、グラフには目標範囲が破線で描かれます。
どの器具が何を読み、それぞれ最後にいつ校正したかを追いかけるのは、塩分濃度の線に段差ができて誰も理由がわからなくなるまで後回しにされがちな記帳作業です。Recifは、これを引き受けるために私たちが開発したリーフアクアリウム向けアプリです。すべての測定を記録し、各項目を自分の目標範囲と重ねてグラフ化するので、じわじわ動く塩分濃度と校正による段差の区別がはっきりつきます。測っていない期間が長くなった項目を知らせ、水槽全体をひとつの安定度スコアにまとめます。現在 App Store と Google Play で配信中です。