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リーフ用計算ツール: カルシウムとアルカリニティの添加量

今朝、水質を測りました。アルカリニティは7.6 dKH、目標は8.5。戸棚には重曹の袋があり、棚には2液式添加剤のボトルがあります。フォーラムには「リーフ用の計算ツールを使えばいい」と書いてあり、計算ツールは84 mLと答えました。しかしその数字が正しいのか、それとも水槽をスノードームに変えてしまうのか、判断がつきません。

先に結論を書きます。リーフ用の計算ツールはどれも、掛け算をひとつやっているだけです。 水量に、数値を動かしたい幅を掛け、製品の強さを掛ける。この計算を一度自分でやっておけば、ネット上のどの計算ツールでも検算できますし、単位や水和物の取り違えにサンゴより先に気づけます。

以下では、その計算式と各添加方法、そしてどんな計算ツールよりも重要な2つのルールを扱います。

リーフ用添加量計算ツールが実際にやっていること

BRSのものから2009年のフォーラムのスプレッドシートまで、リーフ用の添加量計算ツールはすべてこれです。

添加量 = 実際の水量 × 上げたい幅 × 1リットルを1単位上げるのに必要な製品量

3つの入力のうち2つは、あなた自身の数字です。実際の水量は箱に書いてある数字ではありません。ライブロックと砂が本水槽のおよそ10から20パーセントを占めるので、「300リットル」の水槽に入っているのは250リットル程度で、そこに運転時の水位まで数えたサンプの分が少し戻ってきます。単位の間違いを除けば、計算ツールの誤りの大半は水量の誤りで、どれも入れすぎの方向に働きます。上げたい幅はいまの値と目標値の差で、いつも使っているキットで、いつもの時刻に測った値から出します。

製品の強さだけが化学の領域です。粉末の薬品なら分子量から決まり、液体ならラベルか、自分で何をどれだけ溶かしたかから決まります。

アルカリニティをどれだけ添加するか: 炭酸水素ナトリウムの計算

標準的な数字が3つあれば、すべて計算できます。

  • 1 dKHは炭酸カルシウム換算で17.86 ppm、つまり1リットルあたり0.357ミリ当量です。
  • 炭酸水素ナトリウム (重曹、NaHCO3) は1モルあたり84 gで、1モルにつき1当量のアルカリニティを供給します。
  • したがって、1リットルを1 dKH上げるには0.357 × 84 = 30 mgの炭酸水素ナトリウムが必要です。

これが強さの数字のすべてです。1リットル・1 dKHあたり30 mg、つまり100リットル・1 dKHあたり3.0 gです。

計算例です。実際の水量が300リットル (約80 USガロン) の水槽で、アルカリニティが7.6 dKH、目標が8.5なら、上げ幅は0.9 dKHです。

300 × 0.9 × 0.030 g = 炭酸水素ナトリウム8.1 g

秤で量ってください。山盛りのティースプーンで量るから、2 dKH行きすぎる人が出るのです。

炭酸ナトリウム (ソーダ灰、または重曹を300°F (150°C) で1時間焼いたもの) は1モルあたり106 gで2当量を持つので、0.357 × 53 = 1リットル・1 dKHあたり19 mgとなり、同じ補正に必要なのは5.1 gです。炭酸水素ナトリウムがpHをほとんど動かさないのに対し、ソーダ灰は数時間pHを押し上げます。それが役立つ場面と邪魔になる場面は、リーフタンクのpHの上げ方で扱っています。

これで、どのアルカリニティ計算ツールでも妥当性を確かめられます。300リットルと0.9 dKHの上げ幅を入力してみてください。重曹8 gと出れば正しいです。30 gと出たなら、水量をガロンとして扱っています。液体も同じです。炭酸水素ナトリウム60 gをRO水1リットルに溶かせば1 mLあたり60 mgなので、補正量は135 mLです。このレシピで大きく違う数字を出す2液式の計算ツールは、製品の強さが間違って登録されています。

リーフ飼育者が間違えるカルシウムの計算

計算ツールごとに答えが食い違うのが塩化カルシウムで、原因はほぼ例外なく水和物です。

カルシウムは1モルあたり40 gなので、1リットルを1 ppm上げるには1/40ミリモルの塩化カルシウムが必要です。問題は、手元の粉末の1ミリモルが何mgなのかです。

  • 無水塩化カルシウム (CaCl2): 1モルあたり111 g、つまり1リットル・1 ppmあたり2.8 mg
  • 塩化カルシウム二水和物 (CaCl2.2H2O): 1モルあたり147 g、つまり1リットル・1 ppmあたり3.7 mg

同じ300リットルの水槽で、カルシウムが400 ppm、目標が430、上げ幅30 ppmなら:

  • 二水和物: 300 × 30 × 0.0037 g = 33 g
  • 無水物: 300 × 30 × 0.0028 g = 25 g

3分の1も違います。ラベルを確認してください。書いていなければ無水物とみなして計算し、翌日に測り直します。足りなければもう一度添加すれば済みますが、3分の1入れすぎれば析出という代償を払うことになるからです。

もうひとつ覚えておく価値があるのが比率です。アルカリニティ1 dKHの消費は、カルシウム約7 ppmの消費に対応します (2.8 dKHあたり20 ppm)。1日0.6 dKH使う水槽はカルシウムを1日約4 ppm使いますが、それは420 ppmという貯えに対してで、しかもキットは10か20 ppm刻みでしか読めません。カルシウムが動いていないように見えるのはこのためです。アルカリニティが下がり続けているのにカルシウムが上がっていくなら、それはカルシウムの問題ではありません。リーフタンクのカルシウムの下げ方で、原因がたいていアルカリニティとマグネシウムにある理由を説明しています。

製品の強さを一覧で

実際の水量100リットル (26 USガロン) あたり:

上げる量製品必要量
1 dKH炭酸水素ナトリウム3.0 g
1 dKH炭酸ナトリウム1.9 g
1 dKH飽和kalkwasser0.9 L (カルシウム約7 ppmも同時に上がる)
1 dKHAll-For-Reef約18 mL (カルシウム約7 ppmも同時に上がる)
カルシウム10 ppm塩化カルシウム二水和物3.7 g
カルシウム10 ppm無水塩化カルシウム2.8 g

100 USガロン (378リットル) なら3.8倍してください。

2液式、All-For-Reef、kalkwasser、カルシウムリアクター: それぞれ何が一緒に入るか

どの方法を使っても、化学と目標値は同じです (一覧はリーフタンクの水質パラメータにあります)。違うのは、ほかに何が一緒に入るかと、その方法が1週間のうちどれだけの手間を食うかです。

2液式 (ツーパート) は、片方のボトルに炭酸水素ナトリウムか炭酸ナトリウム、もう片方に塩化カルシウムを入れたものです。1 dKHあたりの費用がもっとも安く、カルシウムとアルカリニティを別々に動かせる唯一の方法です。代償はポンプ2台と容器2つ、そして残っていくナトリウムと塩化物です。添加のたびに、正味では少量の食塩を加えているのと同じなので、塩分濃度が何か月もかけてじわじわ上がります。水換えで補正できますが、37 ppt (比重1.028) まで達していたら、1日あたり比重0.001以下のペースで戻してください。両方の液を同じ場所に同時に入れてはいけません。その場で濃度が跳ね上がり、炭酸カルシウムの雪として析出します。10分空け、サンプの両端に、水流のあるところへ入れます。

オールインワン、つまりAll-For-Reef。 Tropic Marinのこの製品はギ酸カルシウムです。ギ酸イオンは水槽内で酸化されて炭酸水素イオンになるので、1本のボトルでカルシウムとアルカリニティが1 dKHあたり7 ppmのバランスの取れた比率で供給され、さらにマグネシウムと微量元素も加わります。ラベルの添加量は1日100リットルあたり5 mLから始め、アルカリニティの測定結果に応じて週に100リットルあたり2.5 mLずつ増やし、上限は1日100リットルあたり25 mLで打ち止めです。開始時で約0.3 dKHとカルシウム2 ppm、上限でも1日約1.4 dKHなので、1日2 dKH消費する成熟したSPS水槽はこれでは回せません。ラベルにもそう書いてあります。ギ酸塩は有機炭素源でもあり、硝酸塩をわずかに下げる程度のごく穏やかな炭素添加になるので、計算上の満額ではなく、範囲の下限から始めてください。それから、アルカリニティはギ酸塩が代謝されてから初めて現れるので、添加の1時間後に測っても何もわかりません。

Kalkwasser (カルクワッサー、石灰水)。 水酸化カルシウムをRO水に飽和まで溶かしたもので、1リットルあたり約1.5 gです。飽和した石灰水はカルシウムをおよそ800 ppm、アルカリニティを41 meq/L含むので、水槽水100リットルに1リットル加えるとアルカリニティが約1.1 dKH、カルシウムが約8 ppm上がります。これもバランスの取れた比率で、炭酸水素イオンではなく水酸化物イオンを加えるためpHも持ち上げます。費用はほぼゼロです。落とし穴は溶液がpH 12.4だということで、一気に入れることも、注ぎ込むことも決してしません。水流の強い場所へゆっくり滴下し、たいていは足し水として入れます。ドーサーが止まらなくなれば、1時間以内にpHが8.6を超えて跳ね上がり、アルカリニティの半分が雪となって析出することもあります。蒸発量に乗せて入れるため上限があり、1日に水量の1パーセント、たとえば300リットルで3リットル蒸発する水槽なら、得られるのは最大でも1日約1.1 dKHです。

カルシウムリアクター。 チャンバーにアラゴナイトのメディアを詰め、CO2を通します。酸性になった水がメディアを溶かし、排出水 (一般に25から40 dKH、pH 6.5から6.8前後) がサンプへ滴下されて戻ります。バランスの取れた比率で、メディア由来のマグネシウムとストロンチウムが少し加わり、どんな消費量にも対応できます。SPS主体の大型システムが最終的にここへ行き着くのはそのためです。費用は初期投資と2週間ほどの調整期間で、ランニングコストはpHです。CO2が水槽のpHを引き下げるので、リアクターを使う水槽でも8.1を保つために結局は足し水にkalkwasserを入れていることが多いです。

おおまかな目安です。1日1 dKH未満ならkalkwasserかAll-For-Reef、1から2ならドーサーで2液式、2を超えるならリアクター、おそらくkalkwasserを併用して。

ルール1: 目標値ではなく消費量に合わせて添加する

リーフ用の計算ツールが答えるのは「AからBへ動かすにはどれだけ加えるか」です。「毎日どれだけ加えるか」には答えませんし、この2つは別の数字です。

毎日の添加量は、消費量です。朝8時の測定から翌朝8時の測定までに0.6 dKH使う水槽なら、添加量は1日0.6 dKHで、サンゴの成長にあわせて上方修正していきます。300リットルの水槽なら300 × 0.6 × 0.030 = 1日あたり炭酸水素ナトリウム5.4 g、あるいは1リットルあたり60 gの溶液で90 mLです。加えてカルシウムが約4 ppm、二水和物で4から5 gです。これをポンプで3回か4回に分けて入れ、水槽に段差を見せないようにします。

消費量を測るには、添加量を固定したまま、同じ時刻の測定を数日続ける必要があります。手順は1日あたりのアルカリニティ消費量を計算する方法にまとめてあり、数字が出たらアルカリニティ消費量計算ツールが、使っている添加剤のミリリットル数に変換してくれます。

そうしないと、計算した8.1 gを入れても水槽が一晩で0.6 dKH消費するので翌日の測定値は7.9になり、木曜には動き続ける数字を追いかける羽目になります。まず維持用の添加量を決めてください。アルカリニティが日ごとに平らに保たれるようになれば、計算した補正を一度入れるだけで目標値に移り、そこにとどまります。

ルール2: 1日約1 dKHを超えない

サンゴが反応するのは、アルカリニティがどこにあるかではなく、どれだけ速く動くかです。7 dKHで保たれている水槽も、10で保たれている水槽も問題ありません。一晩で7から10へ押し上げられた水槽は組織を失い、最初にやられるのはSPSです。一般的な上限は1日あたり約1 dKHの上昇で、水槽がすでにストレスを受けているなら0.5のほうが優しいです。つまり3 dKHの補正は3日か4日がかりの仕事であり、警告なしにそれを1回分の添加量として差し出す計算ツールは、計算ツールであってアドバイスではありません。大きな差の埋め方はリーフタンクのアルカリニティの上げ方で扱っています。

カルシウムははるかに寛容ですが、それでも約50 ppmを超える補正は数日に分けたほうが良いです。

付随する小さなルールが2つあります。補正のたびに測ること。3日前の測定値は、もう存在しない数字だからです。そして水流のないところで本水槽に添加しないこと。局所的な濃度の急上昇はその場で析出しますし、水面から落とした粉末はサンゴの上に沈んで焼くことがあります。

添加量は測定値の隣に記録する

上のどの方法も、1か月後には同じ問いに行き着きます。消費量は増えているのかどうかです。計算ツールが教えてくれるのは今日の数字で、記録が教えてくれるのは傾向です。下の記録用スプレッドシートには、まさにこのためのメンテナンスシートがあります。添加量を、そのきっかけになった測定値の隣に記録しておけば、アルカリニティが週に0.1 dKHずつ滑り落ち始めたとき、試薬を疑うのではなく消費量が増えたのだとわかります。

スプレッドシートを入手
Google Sheets でコピーを作成(Google アカウントが必要です・英語のみ)
Excel 版をダウンロード(アカウント不要)

無料、メールアドレスの登録なし、クレジット表記も不要です。測定値は目標範囲の内側なら緑、外側なら赤になり、グラフには目標範囲が破線で描かれます。

消費量に合わせて添加するということは、数週間ごとに同じ時刻の測定値の山からひとつの数字を出し直すということで、ほとんどの人がいつの間にかやめてしまう類の帳簿づけです。Recifは、これを引き受けるために私たちが開発したリーフアクアリウム向けアプリです。すべての測定を記録し、各項目を自分の目標範囲と重ねてグラフ化し、記録から消費量の傾向を割り出すので、需要が増え始めたことに早く気づけます。測っていない期間が長くなった項目を知らせ、水槽全体をひとつの安定度スコアにまとめます。現在 App StoreGoogle Play で配信中です。