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海水水槽の糸状コケ (ヘアーアルジー): 食べてくれる生体と、本当に止める方法

最初は岩ひとつに生えた、緑の小さな房でした。3週間後には芝生になり、貝はその上に退屈そうに乗っているだけで、検索履歴には「海水水槽 糸状コケ」に続いて「コケ 食べる 生体」と並んでいます。

一覧の前に、正直な答えを書いておきます。糸状コケを食べる生体はいくつもいますが、止めてくれる生体はひとつもいません。 緑の糸状コケは栄養塩と光の問題で、なかでもリン酸塩が主役です。コケ取り生体はコケを魚のフンに変えるだけで、フンはまたリン酸塩に戻ります。クリーンアップクルーは、成長が遅くなってからなら現状維持を担えます。そこまで連れて行ってはくれません。検索されたのはコケ取り生体の話でしょうから、まずそれを、そのあとに本当に効く方法を書きます。

まず、それが緑の糸状コケかどうか確かめる

本来の緑の糸状コケ (多くはDerbesia、ときにCladophora) は柔らかく鮮やかな緑色で、親指と人差し指でつまむとマット状に岩からはがれます。この記事の残りが扱うのはこれです。

ブリオプシス (ハネモ) は絶えずこれと混同されます。国内ではどちらも「トロロ藻」とひとくくりに呼ばれることが多いせいもあります。硬い中心の茎から羽根のように側枝が出ていて、引っ張るとはがれるのではなく折れます。食べる生体はほぼいません。対処はコケ取り生体ではなく、活性炭を外したうえでフルコナゾール (Reef Fluxとして販売) を1リットルあたり約5 mg (1ガロンあたり20 mg) で14日間です。

糸状コケを食べる生体と、それぞれがやってくれないこと

コケ取り生体食べるもの食べないもの難点
タツナミガイ (Dolabella auricularia)糸状コケを大量にブリオプシス、芝状のコケコケがなくなると餓死する。ストレスで墨を吐く。ポンプの吸込口に吸われる
ターボスネイル (Turbo fluctuosa)糸状コケ、膜状のコケブリオプシスフラグをなぎ倒す。餌が尽きると気づかないうちに死ぬ
フォックスフェイス (Siganus vulpinus)糸状コケ、長く伸びたものも厚いマットLPSやマメスナをつつくことがある。毒棘がある。1.2メートル (4フィート) の水槽が必要
Zebrasoma属のハギ (キイロハギ、パープルタン、ヒレナガハギ、ゴマハギ)短い新芽を一日中厚いマット1.2メートル (4フィート) 以上が必要。他のハギに攻撃的
タキシードウニ (Mespilia globulus)糸状コケ、石灰藻ブリオプシスフラグを背負って歩く。塩分濃度の変動を嫌う
エメラルドクラブ (Mithraculus sculptus)バブルアルジー、空腹なら糸状コケ満腹になるとほとんど食べない大きな個体はサンゴや貝をつつく

ハギならどれでも同じ、ではありません。 糸状コケを食べるのはZebrasoma属のハギです。ブリッスルトゥース系のハギ (コーレタン、トミニタン、その他のCtenochaetus属) は膜状のコケとデトリタス向きにできていて、糸状コケのマットには口をつけません。名前に反して、ローンモアーブレニー (ヤエヤマギンポ) も同じです。

育ちきったマットをうまく食べる生体はいません。 長さ2 cmになってデトリタスが詰まると、コケ取り生体は縁をかじるだけになります。まず手で引き抜き、その後の再生をコケ取り生体に任せてください。

どの生体も一時的な存在か、厄介の種です。 タツナミガイは200リットル (50ガロン) の水槽を3から4週間で食べ尽くし、そのあと餓死するので、ショップに引き取ってもらえるよう話をつけておいてください。ウニとタツナミガイは、袋の水と水槽の水の比重差をおよそ0.001 (約1.3 ppt) 以内に収めながら、時間をかけて点滴で水合わせします。どちらも塩分濃度の急変を許してくれません。

コケ取り生体は循環させるだけで、外へは出しません。 コケのマットは蓄えられたリン酸塩と窒素です。ハギがそれを食べれば、大半は1日以内にフンとして水中に戻ります。実際に系外へ出すのは、あなたの手、スキマー、吸着材、水換え、収穫した海藻だけです。

糸状コケが栄養塩と光の問題である理由

糸状コケに必要なのは光、窒素、リンです。レバーになるのはリン酸塩です。糸状コケは窒素を、硝酸塩の試薬キットに現れるより前に、魚のフン由来のアンモニウムの形で直接取り込めるからです。

多くのリーフ飼育者が運用している範囲は、硝酸塩2から10 ppm、リン酸塩0.03から0.10 ppmです。リン酸塩0.2から0.5 ppm、硝酸塩25 ppm以上で推移している水槽は、ほぼ例外なく糸状コケが生えます。この帯の中に保たれている水槽は、岩からの溶出が止まってしまえば、ガラス面に少し膜状のコケが出る程度で、ほかはほとんど何も生えません。目標値の一覧と、どの数字から直すべきかはリーフタンクの水質パラメータにまとめています。

「栄養塩はゼロなのに糸状コケが生える」

糸状コケのスレッドで一番多い書き込みで、その測定値はたいてい本当です。貯蔵庫は水中ではありません。コケそのものです。

リン酸塩は毎日、餌と足し水とともに入ってきます。大きなマットは入ってくるそばから取り込むので、水は0.00を示し、コケは伸び続けます。ゼロは流入が少ない証拠ではありません。試薬キットが見る前に何かが流入分を食べているということで、その何かは岩にくっついています。硝酸塩も同じです。コケは魚が出すアンモニウムのほうを好むので、硝酸塩のキットには一度も映りません。

その範囲を読めるキットを使ってください。比色式のキットが信頼できるのはせいぜい0.03 ppmまでで、Hanna ULRチェッカーはリンをppbで読みます。ppbに3.066を掛けて1000で割るとリン酸塩のppmになるので、30 ppbは0.09 ppmです。それから、マットが残っているうちに「サンゴに餌をやる」ために栄養塩を上げないでください。サンゴが白っぽいのはコケが勝っているからで、水槽が飢えているからではありません。コケを引き抜けば、測定値が意味を持ち始めます。

糸状コケとリン酸塩: 実際にはどこから来ているのか

吸着材を買う前に、出どころを突き止めてください。糸状コケとリン酸塩のつながりは本物ですが、何かが加え続けているあいだ水からリン酸塩を引き抜くのは、ルームランナーの上を走るようなものです。

岩と砂。 アラゴナイトは表面にリン酸塩を結合させます。死んだサンゴ礁として何年も過ごしたドライロックは大量に抱え込んでいることがあり、デトリタスの詰まった砂床も同様です。GFOで水中の濃度を下げると、岩が数日かけて戻してきます。「GFOを回したらゼロになった、そしてまた戻った」がこれほど多いのはそのためです。確かめる方法はこうです。拳大の岩を、リン酸塩ゼロを示す作りたての人工海水を入れたバケツに24時間浸けてから、バケツの水を測ります。0.05 ppm以上なら岩が溶出していて、計画は週単位ではなく月単位になります。

給餌。 もっとも多い原因です。解凍した汁ごと与える冷凍餌は、魚が口をつける前に溶けたリン酸塩をひと塊持ち込みます。解凍して、こし、固形分だけを、1から2分で消える量だけ与えてください。魚に1日2回、その上にサンゴ用の餌とアミノ酸というのは、100リットル (25ガロン) の水槽が排出できる量を超えた流入です。

水道水。 多くの水道事業者は腐食防止剤としてオルトリン酸塩を加えていて、1 ppm前後であることが少なくありません。水道水で足し水をするとこれが濃縮されます。水は蒸発し、リン酸塩は残るからです。TDSが0を示すRO/DI水を使い、出口の値が3になったらDI樹脂を交換してください。

古い球。 T5とメタルハライドのランプは古くなると赤と黄色へ寄り、12か月で出力のかなりの部分を失います。この変化はサンゴよりコケに有利です。T5は9から12か月ごとに、週に1本か2本ずつ交換してください。全部を一度に新品にするとPARが2倍になってサンゴが白化することがあるからです。LEDは同じようには変化しませんが、白チャンネル100パーセントを12時間というのは糸状コケの栽培プログラムです。フルスペクトルで10時間あれば十分です。

人工海水そのもの。 測定できる量のリン酸塩を含む製品もあるので、水槽に入れる前に作りたてのバッチを測ってください。銘柄ごとに何が違うかは人工海水の素で水質パラメータは変わるのかで扱っています。

リーフタンクから糸状コケを取り除く方法: 排出の道具箱

「リーフタンク 糸状コケ 除去」で検索してきたのなら、この章です。これらは組み合わせて使ってください。どれかひとつでは遅すぎます。

1. 手作業での除去。毎週、何よりも先に。 手のすぐ横でサイフォンホースを回しながら、指で岩から引きはがします。ちぎれた断片が水槽に再び根づくのではなく、外へ出ていくようにするためです。持ち上げられる岩は取り出し、水槽の水を張ったバケツの中で硬い歯ブラシでこすります。何も付いていない裸の岩なら、3パーセントの過酸化水素水に5分浸けてすすげば、ブラシが取り逃したものも殺せます。サンゴや無脊椎動物が乗った岩は絶対に浸けないでください。過酸化水素水を本水槽に注ぐのも厳禁です。取り除いた房のひとつひとつが、永久に消えたリン酸塩と窒素です。ここで挙げる中でもっとも効果のある排出手段で、しかも無料です。

2. GFO。 リアクターの中で緩やかに転がすか、水流の強い場所にメディアバッグで入れます。ラベル記載量の半分から始めてください。標準的なGFOなら30リットル (8ガロン) あたり大さじ1杯程度です。リン酸塩が0.3 ppmを超えているなら、さらにその半分にします。1日でリン酸塩をゼロまで急落させるとサンゴにストレスがかかり、特にSPSは白っぽくなったり組織を失ったりするからです。3から4日後に測ります。リン酸塩が再び上がり始めたら吸着材を交換します。通常は4から6週間ごとです。そこで初めて、15リットル (4ガロン) あたり大さじ1から2杯というラベルの規定量に向けて増やしていきます。

3. 塩化ランタン。慎重に。 リン酸塩を細かい沈殿物として結合させるので、その沈殿物を捕捉しなければなりません。RO/DI水で大きく希釈し、オーバーフローか、10ミクロンのフィルターソックの手前に置いたリアクターにゆっくり滴下します。本水槽への直接添加は厳禁です。沈殿物が魚のエラを詰まらせ、特にハギはソックを付けていても死んだ例があります。リン酸塩は午後いっぱいではなく1から2週間かけて下げ、魚が荒い呼吸をしたら中止してください。

4. 水流とデトリタス。 デトリタスは岩の上に載った肥料で、糸状コケはそれが溜まる場所に生えます。レイアウトの裏の淀みにパワーヘッドを向け、水換えの前に岩をスポイトで吹き、フィルターソックは2から3日ごとに交換してください。

5. 十分な大きさのリフジウム。 きちんとした育成ライトの下のチャエトモルファ (ジュズモ) は同じリン酸塩と硝酸塩を奪い合い、ひとつかみ捨てるたびに、それが本物の排出になります。デスクライトの下の10リットル (2.5ガロン) の区画では、400リットル (100ガロン) の本水槽に勝てません。

6. 炭素源の添加。硝酸塩も高い場合。 ウォッカ、酢、または市販のブレンドは硝酸塩と一部のリン酸塩を取り込むバクテリアを増やし、それをスキマーが排出します。ボトル記載量の4分の1から始め、数週間かけてゆっくり増やしてください。入れすぎると水を白濁させるバクテリアブルームが起き、一晩で酸素が落ちることがあります。手順の全体はリーフタンクの硝酸塩の下げ方にあります。

週に10から20パーセントの水換えは良い習慣ですが、取り除けるのは溶けている分だけです。0.2 ppmで20パーセント換えても0.16 ppmにしかならず、週末までに岩が戻します。

何が、どの順番で起きるか

すべてやった場合の流れです。

  • 1週目。 手作業での除去、RO/DI水、給餌の見直し、低用量のGFO。
  • 2から4週目。 コケの量が減るにつれて、リン酸塩の測定値が出てきます。毎週引き抜き続けてください。
  • 4から8週目。 再生は短く、まばらになります。ここでコケ取り生体を入れます。1.2メートル (4フィート) 以上ならZebrasoma属のハギかフォックスフェイス、それより小さい水槽ならタキシードウニと数匹のターボスネイルです。新芽は抑えてくれますが、マットを片づけることはできなかったはずです。
  • 8から12週目。 GFOを交換しても跳ね返らずに、リン酸塩が0.03から0.10 ppmの中に収まります。岩からの供給が止まったということです。GFOを減らすか止め、タツナミガイはショップに返してください。

溶出の激しかった岩では、最後の段階が6か月まで長引くことがあります。それは失敗ではなく、バケツが空になる速さで空になっているだけです。

リン酸塩と硝酸塩は毎週、同じ曜日に記録する

数字がなければ、このどれも見えません。リン酸塩と硝酸塩を週に1回、同じ曜日の同じ時刻に、同じキットで測り、その横にGFOを交換した日と岩をこすった日をすべて書き添えてください。「GFOが飽和した」と「岩がまだ溶出している」を見分けるのはこれです。前者は4週目からゆっくり上がり、後者は吸着材を交換するたびに数日で跳ね返ります。ほかの項目の測定頻度はリーフタンクの水質測定スケジュールにまとめています。

スプレッドシートを入手
Google Sheets でコピーを作成(Google アカウントが必要です・英語のみ)
Excel 版をダウンロード(アカウント不要)

無料、メールアドレスの登録なし、クレジット表記も不要です。測定値は目標範囲の内側なら緑、外側なら赤になり、グラフには目標範囲が破線で描かれます。

糸状コケとの戦いは、8から12週間分のリン酸塩の測定値、吸着材の交換日、岩をこすった日を並べて見て初めて意味を持つもので、ノートではGFO交換後の跳ね返りは決して見えてきません。Recifは、これを引き受けるために私たちが開発したリーフアクアリウム向けアプリです。すべての測定を記録し、リン酸塩と硝酸塩を自分の目標範囲と重ねてグラフ化するので、岩が再び緑になる前にじわじわとした上昇がはっきりわかります。消費量の傾向を割り出し、測っていない期間が長くなった項目を知らせ、水槽全体をひとつの安定度スコアにまとめます。現在 App StoreGoogle Play で配信中です。